Project Story 01

東京の新たな
ランドマークにふさわしい
最高の品質を。

Prologue

2023年、東京の真ん中に新たなランドマークとして誕生した大型複合施設である「麻布台ヒルズ」。この住居部分(「麻布台ヒルズレジデンス」2棟約1,300戸)の空調換気設備を担当したチームのメンバーが集結。最高の住空間にふさわしい最高の品質を求め、提案し、形にしていったそのプロセスを紹介します。

Members

H.T
機種管理 2017年中途入社

取り扱う商材の幅広さに惹かれ、当社に転職。商品本部に所属し、営業と工場の橋渡し役として、ルームエアコン事業や照明事業の販売戦略企画などに携わる。

K.S
開発営業 1988年入社

入社後の7年間は空調設備のルート営業として活躍。その後、積算や工事営業などの業務を経験し、2004年から開発営業部へ。大手デベロッパー向けの営業業務に従事している。

M.K
ルート営業 2010年入社

入社後は空調住設部に配属。代理店ルートを担当し、2018年に設備支店に異動。換気システムや給湯器など、電材住設商品をメインに三菱電機の基幹代理店ルート担当を務める。

Episode.1
お施主様の想いを受け止め、
その後のレールを敷いてゆく。

2014年、都市開発に強い大手デベロッパーから都内に大型複合施設を建設する計画が発表される。その情報をいち早く入手していたのが、開発営業のK.Sだ。「当社の開発営業の主な役割は案件を受注するまでのレールを敷いてゆくこと。日頃から担当するお施主様との信頼関係を深め、情報収集や設備に関する相談がしやすい状況をつくっておくことが大切なのです」とK.S。今回で言えば、ルームエアコンなどの空調換気設備に関する相談に乗りながら、お施主様が実現したい住空間にふさわしい設備のイメージを一緒に固めていった。当然、この時点ではまだどのメーカーの商品が採用されるかは決定していないが、設備の仕様を決める段階から関わっている企業が圧倒的に有利になる。

「とくに、今回は価格やスピードの勝負ではなく、お施主様の想いをどれだけ受け止められるかが大きなポイントでした。最高の住空間をつくる上で、性能はもちろんのこと、デザイン、環境面への配慮など、すべてにおいて最高の設備にしたいというオーダー。仕様変更の対応には限界があるものの、出来るだけ応えたいという気持ちで臨んでいました」とK.Sは話す。そうしてお施主様の中で空調換気設備に関する仕様などが徐々にまとまっていくなか、三菱電機住環境システムズの社内でもその仕様に対してどうすれば応えることができるかといった製作所とのやりとりが頻繁に繰り返された。

Episode.2
空調換気設備のプロとして、
設計事務所の要望に応える。

この案件を正式に受注することになるのは2018年。そこに至るまでの大まかな流れをルート営業のM.Kに説明してもらった。「お施主様が設計事務所を決め、その後、建設工事全体を請け負うゼネコンが決まります。そして、電気工事や空調工事など、より専門性が求められる工事を担当するサブコンと呼ばれる会社が決まり、その会社から代理店を通じて当社に正式に商品の発注が行われるのです。ちなみに、私はこの案件に関わった代理店の担当営業でした」。

M.Kの話を聞くと、プロジェクトの最後の最後に三菱電機住環境システムズが登場するように感じるかもしれないが、先ほどの開発営業の話のように、空調換気設備のプロとしてすべての工程に関わっていく。たとえば、設計事務所との間では「ルームエアコンと対になる室外機はバルコニーに置くのですが、その際、どこにどういう状況で設置すれば性能をフルに発揮できるのか。お施主様や設計事務所の要望に応えられるのか。そのためのシミュレーションを行うのも、私たちメーカー商社の仕事です」と商品のプロである機種管理のH.T。設計事務所から図面をもらい、専門ソフトを使って気流の流れを分析。製作所側とも何度も話し合い、「私たちの商品を用いれば、このように実現できます」といった内容をまとめ、設計事務所に伝えていった。

Episode.3
建設現場と製作所の間に立ち、
調整役を担ってゆく。

そうして設備の仕様や設計図面も固まり、施工工事を担当するサブコンが決定し、2018年にようやく正式な契約が結ばれることになる。「これまでやってきたことが報われる瞬間です」と開発営業のK.S。しかし、営業と製作所の橋渡し役を担う機種管理のH.Tはまだ落ち着かない。「最終的な金額や納期の調整がまだまだ残っています。今回は仕様変更であることに加え、約1300戸という戸数。施工現場が求める納品ペースと製作所の生産ペースの間にまだ開きがありました」と話す。さらに、ルート営業のM.Kも「代理店を通しての契約とはいえ、ここまで大きな案件の場合、任せきりにするわけにはいきません。代理店・サブコンの担当者とも密に情報を交換し、現場状況を把握。確かな情報をもとに製作所に要望を伝えていきます」と話す。ときには数センチ単位の調整を求められることもあり、ただ商品をつくって納品すれば終わりという仕事では決してないのだ。

そして、さまざまな課題を解決していきながら、2023年に第一期分の引き渡しが完了する。「空調換気設備の試運転が問題なく終了した時が一番ホッとしますね」と機種管理のH.T。開発営業のK.Sは「お施主様への引き渡しが完了しましたという報告を受けた瞬間が最もうれしい。ただ、プロジェクトの上流部分を担当する開発営業は、すでに次の案件の足掛かりをつくるために動いていますけどね」と振り返る。ルート営業のM.Kは「お客様の要望に応えながら当社にも利益が出るように調整し、その売上が計上されるタイミングがやはり達成感があります」と営業らしい回答をしてくれた。

Episode.4
日頃からの信頼関係が、
プロジェクトを支えている。

2023年11月、麻布台ヒルズがオープンし、連日、メディアでも取り上げられた。三菱電機の空調換気設備が導入されている最高級の住居部分の販売も好調だという。このプロジェクトに携わった3名の社員に、改めて三菱電機住環境システムズで働く面白さや醍醐味を尋ねると、「長年にわたって、お施主様との信頼関係を築き、その結果、世の中が注目するような案件に関わることができるのは本当に面白いですね」と開発営業のK.S。機種管理のH.Tは「歴史もブランドもある三菱電機だから任せてもらえる部分も大きいと思います。さらに、空調換気設備だけでなく、さまざまな電材住設商品を扱い、三菱電機と製販一体になって取り組める環境も、提案を求められる私たちの仕事にとってはありがたいですね」と教えてくれた。ルート営業のM.Kは「日頃から街を歩くだけで、当社のジェットタオルや室外機をよく目にしますし、友人のマンションに遊びに行くと当社の空調換気設備が使われていたりします。営業としてはうれしいですし、当社の商品が活躍する場所をさらに広げていきたいと思います」と意気込みを語ってくれた。

このプロジェクトに関しては、もう1棟の住居棟の工事がまだ残っている。さらに、東京では今後も大型の都市開発案件がまだ控えているという。そして、それはこれから入社してくる社員たちがチャレンジできるチャンスがあるということを意味している。何もない土地に建物が立ち、快適な空間が生まれる。しかし、それは決して突然出来上がるのではない。さまざまな役割の社員たちが、社内外の人たちと日頃から信頼関係を築いているからこそ実現できること。3名の対談から、そのことを強く実感することができた。

今回の対談を終えて

H.T
機種管理

転職してきた私にとって、この会社で働く魅力を改めて実感できたプロジェクトでした。前線を支えてくださったお二人に対しては本当にお疲れ様でしたと伝えたいですね。私自身は環境が変わり現在は照明器具を担当しております。今度は住宅ではなく施設案件のプロジェクトにも携われる機会が増え、やりがいを感じております。

K.S
開発営業

今回のような大型案件では部門の垣根を超え、みんなで一つのものをつくる面白さがあります。とくに、私の場合、世代も超えて、若い社員たちと一緒にやれたことも本当に楽しかったですね。これからの若手二人の活躍にも期待したいと思います。

M.K
ルート営業

開発営業が早い段階から下準備をしてくださり、機種管理が製作所との橋渡し役を担ってくれたからこそ、無事に受注し、納品できた案件だと思っています。ルート営業としては、そのバトンをしっかり受け止められたことがうれしく思います。